家族のかたち


文京区にある大学病院の外来を受診した時のことです。

薬を待っている間にふと隣を見ると
小さな赤ちゃんを抱いている母親がいました。
つい、可愛らしい手に触れたいと思い
「触ってもいいですか?」と聞きました。

にっこり微笑んで
「いいですよ」と言ってくれた
お母さんの顔はとても幸せそうでした。


私の娘が結婚してから2年経ちます。
いわゆる高齢出産に近い年齢なので
どうしても子どもが欲しいと
妊活に励んでいます。

近頃、身辺でも体外受精で出産する方達が増えていますね。
また、双子をベビーカーに乗せて散歩をしている方も増えました。

「この子も体外受精で産んだんですよ」と
その母親は言っていました。

東日本大震災の翌日に
15年間不妊治療を続けていた従妹は
もう自分の子どもを持つことは諦めたと
連絡をしてくれました。

姪っ子は体外受精で双子の女の子を
授かりました。


今や死語となった結婚適齢期は
一昔前は、男性が20代後半
女性が20代前半でした。

晩婚化が進んでいる昨今では26歳から34歳位に
結婚する方が半数を占めているそうですね。
したがって妊娠しにくくなっているのは事実です。



そんな折、先日、CSで映画
「ライオン25年目のただいま」を観ました。

5歳で迷子になった少年がイギリス人夫婦の
養子となり、30歳になった彼が自分探しに
GoogleEarthを使ってインドの生家を探し出し
母親に再開する実話をもとにした作品です。

ニコール・キッドマン演じるイギリス人養母の
「世の中には不幸な子供がたくさんいる。
その中で、自分が子どもを産むことが必要なのか。」
という意味のセリフが心に残っています。


日本中にも親の虐待や育児放棄によって
不幸な環境にいる子どもたちが数十万人います。

・赤ちゃんポストに託される子ども達
・親に育てる能力がなくて乳児院に引き取られる子ども達
・食べるものもろくに与えられず
 無残にも親に殺されてしまう子ども達

子どもは自ら親を選べません。
親次第で子どもの人生がすべて決まってしまうのです。

育てれば自分の産んだ子でなくても本当の家族です。
子どもの成長の一つ一つが喜びとなり
家族の絆になるのです。

現在、特別養子縁組制度に適用される養子の
年齢は6歳未満ですが、法制審議会にて
15歳未満に引上げが検討されています。
新しい家族を持てる子どもたちが増えるということです。

心から家族が欲しいと望む方達に
新しい家族の形を見つけていただきたいと思います。




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